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世界を垣間見たか、いや日独同盟か

今日から日本橋三越で第10回世界の万年筆祭が開催されています。23日までなのですが、今日しか空いていないため、会社が終わってから行くことに。
何もなければ定時(17時)で上がっていこうと思いきや、こういう時に限って仕事が詰まって…会社を出たのは18時半。催事は20時までなのに、ショック。。そして、セーラーのペンクリニックは18時で終了なので間に合わない…。
それでもダッシュで向かって、15分ほどで到着。7階までエレベーターで上がると、やっております、万年筆祭り。派手なわけでもなく、しっとり地味に開催されています。平日の夜のせいか、お客さんもばらつきが。

エレベータを降りて催事場のところに配置図を発見。入ってすぐのところがVISCONTI、とのことでしたが、プラチナ万年筆の名前が目に入り、まずはそちらへ。
ショーケースにはあまり展示がないような…ん? 卓上に並べてあるチューリップ柄の万年筆のケースに、「18金ペン」との色褪せたシールが。値段を見ると2,625円。えっ、この値段で18金ペンが?? 声を掛けていただいた販売員さんにすかさず質問。すると、18金は在庫がほとんどなくて14金だとのこと。14金でも十分です!!
軸の色がいくつかあるようで、見せていただくことに。その隣には、ポケット万年筆という柄のないシンプルな万年筆が2,100円で販売。こちらも14金とのことで、このポケット万年筆を早速、試し書きすることに。
「倉庫にあった在庫(部品)をかき集めて組み立てたので、ここにあるだけなんです。ペン先も細字しかないんです」
いえいえ、ほんとに十分です!! …本体が軽い。そして書き味もなめらか。販売員さんいわく、「このポケット万年筆は昔、流行ったんですよ」とのこと。
軸の色はあるだけになるので、いろいろ見て、残り2本だったピンクを1本購入することに。ニブに「細字」と書いてある部分が見えていたので(ほかのは首軸に隠れてしまっていた)それが気に入りました。サービスインクは黒を選択。カートリッジしか使えないとのことです。

いきなり購入してしまったので、このあとの展開がちょっと怖くなりながらも、斜め後ろで展開していたペリカンへ。
セーラーのペンクリニックは18時で終了だったのですが、こちらの「山本英昭氏の万年筆相談」は終了時刻20時までやっているとのこと。今日は復刻版400NNを診てほしかったので、早速並ぶことに。テーブルには椅子が2つしかなく、先客は2名。特に整理券などは発行していないようだったので、そのまま立って待ちます。山本氏は白髪のご年配の方。何度か試し書きを行いつつ、やすりやサンドペーパー、紙などでペン先を調整しています。私が並んでいた時に相談をしていたお客さんの万年筆は「上海」。なかなか思うような書き味にならないよう。その間に、隣で待っていた男性が置いてあった「趣味の文具箱vol.10」を見せてくれと言って…ん?そのうしろにあるペリカンのハードカバーのカタログ(A4、厚さは3cm弱。「Pelikan Schreibgerate」)が気になる…。販売員さんに頼んで見せてもらうことに。
隣の男性:「(カタログを指して)これ、ミドリ本より前ですか」
販売員:「そうですね」
カタログは、ドイツ語と英語で書かれていて、ペリカンの歴史から万年筆、ボールペンのスペック、そしてイラストまでなかなか充実した内容。思わずガン見。すぐに順番が来たらどうしようと思ったりもしましたが、そこで30分ほど待ったため杞憂に。前に並んでいた男性は250(と言っていたような)のBを2本、調整していたようです。その間にカタログの400NNを携帯カメラで何枚か撮りました。画像が粗いのが本当につらい…。今日はデジカメ持って来ようかと思ってたのに…。

pelikan

さて、ようやく順番が。ペンケースから差し出すと、山本氏の「おっ、これは…」との声。
「これはどちらで手に入れたんですか」
「上野のアメ横です」
「ああ、そういった方が意外に多いんですよ」
そうして、インクフローが良すぎるので何とかしてほしい旨を伝えます。
「これはこれは贅沢な悩みですね」
早速調整がはじまります。インクが入っているかどうか聞かれたので、純正ではないことを伝えると(あとから「ヤンセン?」と聞かれましたが実は色彩雫の月夜を入れてました。あらゆる意味で似てるのでしょう)、パーカーでなければ良いとのこと。パーカーのインクとは相性が悪いのだそう。
この400NN復刻版はインクフローが元から良すぎるきらいがあるようで、その仕組みを解説してくれました。
値段を聞かれたので、返答すると、400NN復刻版は何度か出されたようで初回のロットは10,000円だったと。2回目のロットは13,000円、3回目は15,000円…どんどん高くなっていく(笑)。私のものは20,000円弱だったので、それだとちょっと高めだね、と山本氏の400NNと400NN復刻版(ニブM)を見せてくださいました。400NNはニブがしっかりペン芯に噛んでいる感じ。ブラウントータス柄に入っていたインクはペリカンの茶色。この茶色が書き出しの際に薄くオレンジがかった色味で、思わず「きれい!」と声を上げると、「これはペリカンの茶色です」と山本氏はとても嬉しそうに答えてくれました。
私の万年筆のニブはEFですが、あまりにペン先がやわらかく、書き続けてると山本氏のMと同じくらいになってしまう…。山本氏の見立てでは、復刻版はロットによってニブを変えたのかもしれない、とのこと。明らかに山本氏の復刻版と硬さが違うので…。現行のスーベレーン400も試し書きさせてくれましたが、現行はさすがにニブが硬い感じでした。
山本氏もかつてはアメ横に在庫が足りなくなると買いに行かせたりしていたそうです。そんな昔のアメ横話や、山本氏の遍歴を聞きつつ調整していただきました。調整後は大きな変化は特に見られませんでしたが、しばらく使い続けてみるつもりです。

ペリカンで思いのほか時間を取ってしまい、時刻はもうすぐ20時。ほとんどほかのメーカーを見れなかったので、明日1時間だけでも来ようかと思案しながらセーラーのコーナーへ。せっかくのイベントなので、セーラーで何か買おうかと多少準備してきたのだけど、もう時間がない…。
そう思いながらショーケースを見ていたら、長原幸夫氏が、
「明日もこんな感じなのかな~」
と言いながらふらりと現れて! …今日もペンクリは混雑してたんですね、、。そして私の姿を見て、
「ご予算はいかほどですか?なーんて」
と相変わらずの茶目っ気で話し掛けてきました!
うわあ、どうしよう、長原氏自らの接客ですか!
まずは、蒲田でのペンクリに行ったことを伝えてお礼を。
「うーん、覚えてないなあ、ペン見たら思い出すかも」
…あれだけ大人数と会っているのに覚えてたら逆に怖いんですが。そこでしばらく蒲田での話をして談笑。それから、せっかくお相手して下さっているのでオススメのものはどれか聞いてみたり。長刀に話を振ると、わざわざ図を書いて説明して下さり、長刀にはやはり思い入れがある一面を垣間見ました。それから黒壇素材のものが面白いと言ってショーケースから出して見せてくれ、エボナイトを触らせてくれ、そして今回コラボしたという革巻ものまで出して下さいました。
「外側は貴方が好きなものを選んで下さい。ペン先はどうとでもなります。私がそう言っていたとペンクリに持ってきていただければ、お好みの形にしますから」
そう、にやりと笑いながら自信にあふれた眼差しで仰っておりました。もはや常套句でしょうか、でも不思議に嫌な感じがしないんですよね。
お礼を言って失礼させていただいたのですが、30分近く話をしていました。
思うに、長原氏は女性に甘いのでは??(女性に甘くない男性がいるのか!とつっこみを受けそうですが・笑)。

明日は来る必要ないくらい大満足で帰路へ。やはりセーラーは長刀がほしいなあ!
余談ですが、帰宅してから夫に万年筆祭りの話をし、長原氏とたくさん話せたことを自慢すると、「ただのおっさんだろ」と軽く嫉妬されました(苦笑)。
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5件のコメント

[C71] 高坂さん、こんにちわ。

御無沙汰しています、NTKです。
日本橋三越7階、僕も同じ日に行きましたよ(笑)。

実はブログで紹介している長刀、その後どうしても棚吊りが解消せず、
インクが出るようにと紙にペン先を押し付けていて曲げてしまったんです(汗)。
その修理と、筆記角度が今一つ合わなかったのを研いで貰うため、
会場のオープンと同時に長原先生のところに直行しました(笑)。
(既に先客が4~5人いたのには驚きました…汗)

曲げてしまったペン先を修理、筆記角度を調整、字幅を太めに…と
お願いしたところ、見違えるように書きやすくなりました。
長刀は、使う人に合わせて長原先生に研いで貰って、
初めて実力を発揮できるペン先かな、と思います。
万年筆自体が個人的な物ですが、長刀のペン先は
その傾向が更に顕著だと感じました。

それと、インクもセーラー純正の方が良さそうです。
あのコンバーターは結構クセモノな気がしますし、
いざとなれば石丸先生がいらっしゃいますし(笑)。
僕は漢詩の書き取りや宛名書きに使うことが多いので、
『極黒』にしました。目下、すこぶる快適です。

以上、御購入の際の参考になればと思います(笑)。


そうそう、長原先生ですが、初日のクリニックは大混雑で
昼食は摂れずじまい、トイレ休憩1回のみで、ひたすら
調整しとったよと仰っていましたよ。
「昨日のお客さんは何だか殺気立っとったねぇ」なんて(笑)。
インク工房には若い女性が多いのに、御自身のクリニックに
男性ばかりなのは何故かのう…とボヤいておられました。
高坂さんが来てくれて、とても嬉しかったんじゃないでしょうか(笑)。

プラチナも独特の書き味で良いですよね。
勉強用にカーボンインクのカートリッジを使いたいなと思って
(水溶性のインクだと、汗で物凄く手が汚れてしまうので…)、
少し前に復刻#3776ギャザードの中字を買ったんですが、
現行M400のEFと大差ない細さで、独特のバネがあって
気持ち良く書けるペンで非常に気に入りました
(コンバーターの作りは最悪らしいですが・苦笑)。


とりとめがない、しかも長文ですみませんです (^ ^ ;

[C72] 管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます

[C73] 長刀、修理できて良かったですね!

NTKさん、こんにちは!
こちらにこんなにペンクリの話を書いてしまって、ご自身のブログにアップしなくて大丈夫ですか??

>長刀は、使う人に合わせて長原先生に研いで貰って、初めて実力を発揮できるペン先かな、と思います。

長原先生のお話を聞いた感じでは、私も同じ印象を受けました。ニブポイントが大きく取ってあるせいで、ペン先を細くしても再び太くすることができる、と言われ、それが個人的には「長刀にしよう!」と思った決め手です。
「自分の一生のうち、そのときどきでペン先を変えたいと思うことがあるでしょうが、長刀はそれが実現できるペン先だ」と仰っていました。一生付き合えるペンなのでお得です、とも。
そうなると、長原先生には長生きしていただかないとなりませんね(笑。もしくは後継者を育てていただくとか)。

プラチナは今回初めて購入しました。気軽に使えそうなところが気に入っています。
でも、本数が増えるとすべてを使い切れるわけではないので、どう使うか難しいですね。

禁止ワードの件はおっしゃるとおりです(笑)。
いろいろ試してくださったようで申し訳ありませんm(_ _)m
一時期、迷惑投稿が多かったので対応したのですが、この禁止ワードですといろいろと弊害がありそうなのでもう少し考慮してみますね。
  • 2008-03-23
  • 高坂
  • URL
  • 編集

[C74] 長原氏

長原さんは女性に甘いですが、我々むさい男衆にも優しいですよ。コレクターであろうがなんであろうが万年筆を愛用している人への愛に溢れております(w

こちらからもTB投げてみますのでご確認くださいな。

[C75] そうですね!

どーむさん、コメントありがとうございます。
長原さんは本当に優しい目をしているというか(時折、鋭い眼もしてますが)不思議な魅力に溢れた方だと思います。お父さんの宣義さんも三越のペンクリで「自慢の息子だ」とおっしゃていたようで(という内容を書かれたブログを拝見したのですが)。

TBの件ですが、やはり上手く反映されないようです。どーむさんからのTBも来ないようです。こちらのブログの設定のせいなのかもしれません。また確認してみますね。
  • 2008-03-27
  • 高坂
  • URL
  • 編集

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