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「李歐」を再読中

高村薫の「李歐」を再読しています。
最初に読んだのは約10年前で、当時は「高村薫の本を読破する」ということでデビュー作順に図書館から借りていました。

この「李歐」は、単行本「わが手に拳銃を」を文庫化するにあたって全面改稿しタイトルも変更したものです。高村薫の小説では、初心者にとっつきやすい本ではないかと思います。表紙の桜色もきれいで、手に取りやすいかと(←決して宣伝してるわけではありません(笑))。
10年前に読んだとき、実はあまり印象に残らなかった「わが手に拳銃を」および「李歐」ですが、今回再読してみてすごく深い話だなと実感しています。
まだ途中ですが、読んでいて感じたことは、「拳銃の描写が細部にわたっていてすごいな」ということです。高村さんは拳銃を取り扱ったことがあるのかな、と思わせる描写。聞いた話では、高村さんは自分が実際に知っていることしか描写をしないらしいんです。ということは、拳銃描写も実際に取り扱ったからか?と推測してしまいます。

あと、中国について関係の深い小説なのですが(文革の時代を基にストーリーが展開します)、たまたま半年くらい前にはまっていたマンガ「大使閣下の料理人」にも中国との外交が深く描かれていて、中国の歴史について詳しく知りたいと思うようになりました。周恩来と毛沢東および四人組との歴史。「李歐」も「大使閣下の料理人」も周恩来は偉大な人物との描かれ方で、歴史的にはどうなのかを知りたく思います。
「李歐」では、「(文革が)終わっても何も変わらないのが中国だ。もともとおおかたの人間はお上の言うことなんか聞いていないし、農村は貧し過ぎる。共産党の妖怪の巣はそのまま生き残る。中国を救うのは唯一、経済だ。金の力だ。だからぼくは金儲けをするんだ。手段は何でもいい。洗浄してしまえば、合法的な資金だからな」という台詞が出てきますが、これが1999年に書かれたと思えないほど現在の中国を如実に表現していることに驚きます。
杜甫の七言絶句や中国語の会話なども出てくるので、中国について興味を引かれる小説です。今や世界のGDPでドイツを抜こうとしている中国(1位はアメリカ、2位日本で、そのあとをドイツ、中国と続いているようです)を知るのに良いきっかけとなるような気がします。
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